SSブログ

息子の髪 [タン 5歳~]

ミノ@長女がヘアドネをしたいと言って伸ばしていた髪を、切ることにしたのが今から五年ほど前。彼女の小学校卒業式の前日。
ばっさり切ってイメチェンして卒業を迎えたいとのことだった。
私の調べ不足で、その美容院では当日いきなりその場でヘアドネはできないとのこと(準備がいるので事前予約が必要だった)。
かなり悩んだ挙句、ミノは髪を捨てることにして、イメチェンは大成功したけれど、せっかく寄付したかったのにという残念な気持ちも持って帰宅。

その時、タン@息子が言った言葉を、私は今でも誇りに思う。
「僕が今日から伸ばすよ」

あれから五年。

DSC_3924.JPG

女の子と間違えられたことは数知れず。友達ともめたこともたくさんあった。
でも、一度も泣き言は言わず、絶対に切らないと言い張った息子は素晴らしいと思う。

中学受験をした息子。
見学に行った中学は第一志望含め、ほとんどの学校が男子の長髪を許可すると言ってくれていた。多様性が認められるこの時代。女子もスラックスをはくのが驚かれない。時代は令和になったんだなあと感慨深く思っていた。

ところが。

落ちに落ちに落ちまくった息子がついに受かった中学は、まさかの「男子は短髪のみ」。耳にかかったら切ることという校則があった。

理不尽でしょ。
根拠がないじゃないですか。
なんで女子は許されて、男子は長髪が許されないんですか。
自分でちゃんと三つ編みに結う練習もした。
自分で洗って、乾かせるようにもっともっと練習します。
でも、だめでした。
ルールはルール。

本音を言えば、ごねたいです。
でも、我々のためだけにルールを変えてくれとは言えない。

会議の俎上に上げてくれるとは言ってもらったけど、変わるかは分からないし、もし校則が変わるとしても息子が髪を切ったあと。この五年の彼はなくなってしまう。
さみしくて、涙が出る。

でも。
......いや、でも。

複雑な気持ち。

電話してくれた先生が「申し訳ない」と言ってくれたこと、「思春期のお子さんの精神ケアは大切だからちゃんとやります、担任にも伝えます」と言ってくれたことに感謝します。
「優しい気持ちで伸ばしてたんですもんね」と言われたから「たとえちゃらついて伸ばしていたのだとしても男子だからといって許されないのは理不尽だと思う、本人が納得いっていないのはそっちです」と言ったら「なるほどそっちですか、分かりました、そういう方向がいいんですね」と言ってくれたことにも。
信じてます。先生。

タンは存外受け入れられたみたいで、中学生活を楽しむと言ってくれた。
うん。そうだね。新たなステージだもんね。
楽しもう。

自分にできることをしたい。寄付をしたい。できなかった姉の代わりに僕が。
そう言った息子の気持ちは本当に誇らしいけど、例え寄付しなくたってタンは宝物。そのことに変わりはなく、やっぱり私は息子が誇らしいと思う。
だから髪が長いかどうか、寄付するかどうか、それは、タンの本質とは関係ない。
そう思って、このさみしい気持ちは胸にしまっておく。
ただ、ここに、息子の成長として私の気持ちとともに記録しておく。

小学校卒業おめでとう。
中学入学おめでとう。
これからの人生もどうかのびのびと君らしく生きていってほしい。
胸を張って、めいっぱい楽しんでほしい。
がんばれ、タン。

とりあえず近所の写真スタジオに予約を入れたよ。
真新しい中学の制服で、あとかっこいいタキシードとかを着て、写真を撮ろうね!

そして美容院にも予約を入れました。
休みの日じゃないと行けないし、お店的にも準備が必要だから、来週の日曜日になりました。
入学式から一週間は長髪で通えるね。
先生にも「入学式には間に合わないかもしれません」と言ってあるから、多分大丈夫でしょう。切るって言ってんだから。
電話から数日、短髪のタンも楽しみだなって気持ちになってきたよ。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:育児

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。